銅ケーブルの原材料費が値上がり傾向。なぜ値上がりが止まらないのか?

  1. 需給ギャップ(需給ひっ迫)
    銅の需要が世界的に増えており、特に再生可能エネルギー、電気自動車、配電網/インフラ整備で銅使用量が増加しています。他方で、銅の採掘・精錬能力の立ち上げには時間がかかり、新産地の開発・設備増設が追いついていないという指摘があります。 → これにより、供給が追いつかず「上昇圧力」が持続しています。

  2. コスト上昇圧力
    銅の採掘・加工にはエネルギーコスト、労働コスト、運搬費などが関わりますが、これらが世界的インフレ・物流混乱の影響を受けています。→ 原材料コスト・加工コストが上がると、価格が下がりにくくなります。

  3. マクロ経済・政策リスク/地政学リスク
    銅価格は世界経済の先行指標とも呼ばれる「ドクター・コッパー(Dr. Copper)」と言われるほど、景気・インフラ需要に敏感です。また、鉱山国でのストライキ・環境規制・輸出規制・国際貿易摩擦などが供給を不安定化させる要因となっています。→ こうしたリスクが控えている限り「安心して下がる」状況にはなかなか至りません。

  4. 構造的な需要増加
    特に脱炭素社会・再生可能エネルギー・電動化が進む中で、銅の需要は今後も増えるという見方があります。ガーディアン→ 需要が上がる構造であれば、価格が「ピークを付けて下がる」よりむしろ「高い水準を維持」する可能性が高いです。